コースタイム:
5月4日(金)
9:00リフト終点出発~9:08地蔵の頭~10:45小遠見山~11:30中遠見山~12:30大遠見山(テント場)
5月5日(土)
5:40テント場出発~6:45西遠見山~7:50撤退点~9:00西遠見山~9:40テント場着(食事、撤収)~11:20テント場出発~12:00中遠見山~12:25小遠見山巻き道~13:20地蔵の頭~13:55テレキャビン乗り場
CLフォレスト、バンブー、ハッピー、英、しん、紫、とん、柚、mika、つか、ちい、澤
5月4日 天気が良くないので、予定より一日遅らせての春山合宿で五竜岳を目指した。天気は晴れているものの、五竜岳の姿は全く見えない。歩き始めから道はほとんど雪に覆われており、今年の雪深さを改めて感じた。小遠見、中遠見と順調に歩を進めていく。中遠見を過ぎてから、時折雨がぱらついた。大遠見近くでテントを3つ張り始めるが、ここにきて風が強くなり、雨が降り始めた。テントに入って夕食を取る間にも雨風は強くなり、テントがしなり始めた。テントの一つから水が漏れ、水たまりを作る。そのうち、雨は雪に変わった。外は大荒れの吹雪となり、テントが顔や足を圧迫するくらいまで歪んだ。そのたびにテントが崩壊するのでは、と不安な夜を過ごした。翌2時くらいにやっと風が穏やかになった。眠れていたのか、眠れていなかったのか、皆がほっとして会話を交わした後、何とか深い眠りにつけた。
5月5日 ガスで数メートル先も見えない中、五竜岳に向かって出発する。と言っても五竜岳の姿も見えないし、昨晩の雪でトレースもなくなっていた。地の雪と空の区別がつかないくらい、視界全体がただただ真っ白だった。GPSを確認しながら進むが、視界の悪さと、この状態で登っても頂上は踏めないだろうということもあって、白岳の手前で撤退を決断した。その時、突然風が強くなり始め、あっという間にガスを吹き飛ばしていく。一気に視界が広がった。五竜岳の小屋が見え、そこから他のパーティーが下山してくるのが見えた。ちょっとした時間の差でこれほどまでに景色が変わるものかとつくづく自然の凄さを感じた瞬間だった。登っている時は下が見えなくて、かえって恐怖を感じなかったが、視界が良くなってみると、雪崩の後まではっきり見えて恐ろしい。テントに戻った頃には、雲は見る見る飛ばされて行き、五竜岳、鹿島槍の姿を見ることができた。何とか一晩耐えてくれたことに感謝しながら、テントを撤収し、良い天気の中無事に下山することができた。
(mika記)
(柚)
トレースが消されてしかもガスで視界の悪い中、GPSの夏道ルートに沿って歩を進め白岳の痩せ尾根の斜面まで行けたことに満足しております。
ガスが切れて白岳の登ってきた斜面、これから登るはずだった斜面を確認したときは急な斜面に本当に驚きだった。白岳雪面の亀裂を目前にして雪崩の恐怖を間近で感じた。テント生活では手袋と靴下がびしょ濡れになっていつもは持っているだけの予備の靴下を初めて使った。絞れるくらいびしょびしょになっていてもシュラフの中に置いておくとほとんど乾くことを実際に経験できた。山という自然条件の厳しい下で使うテントの性能についても考えてみないとだめだなと今回初めて思いました。
(澤)
テント場に早く着き設営を早く終えたのは大正解でした。
雪庇も多く残り、雪崩予備軍の雪の割れ目もあったので引き返したのは止むを得なかったと思います。
下山途中で見えた五龍岳、鹿島槍ヶ岳はとてもきれいでした。
(ハッピー)
久しぶりの春山合宿参加で体力が持つか心配で参加する。
五竜テレキャビンとリフトで地蔵の頭まで行き、前回同時期に見た状況とは、イメージが全然異なり冬山であった。
再び数年前に白馬山頂近くのテント泊で経験した困難な状況を体験するとは思いもよらなかった。
従って、風でテントが倒れた場合どうするか、前回の経験を生かして対応出来たのは経験有無で大きく変わると感じられた。
そして、翌日五竜山頂直下で撤退した判断は良かったと思う。
今回の合宿の総評は春山の厳しさを体験出来、それに対応出来た事は会としてレベルアップが出来たと思う。
(英)
登りは快適で重い荷物も苦にならず奇麗な景色に酔いどれながら登りました。夜のテントは風が強く子供の時の御坊の何回もの台風の直撃を思い出しなかなか寝れませんでしたが、そういうとこんなんだったと懐かしい気分でした。
次はピークを踏めるよう頑張ります。
(フォレスト)
春合宿で遠見尾根から五竜岳を目指しましたが、初日のテント泊では午後から降り出した雨が雪にかわり風もヒューヒューからビュービューになり最後はゴーゴーと台風並に発達しテントがつぶされないかとひやひやしました。しかし、明け方近くにはなんとか風も収まり安堵しました。
翌日は霧の中を出発しましたが前夜の吹雪でトレースは消え、霧で見通しがきかないため白岳の手前で引き返しました。残念でしたが安全のためやむを得なかったと思います。
それと最終日も雨の予報だったので1日早く下山しましたが、前夜の吹雪で遭難が相次いだことを知り驚きました。
参加の皆様にはすべてにわたって献身的にご協力をいただきまして無事に山を下りることができて感謝しています。どうもありがとうございました。
(バンブー)
2012年の春合宿 五竜岳は心に残る山行でした。夕方から夜中まで凄まじい風はテントのポールが折れるのではないかと思うぐらい強烈でした。シュラフの中で早く風が収まらないかと長い夜を体験しました。恐い反面これが春山の面白さかもしれません。頼りないSLでしたが楽しい合宿有難うございました。
(とん)
今回の春合宿は大人数な上お天気に恵まれず日程とコースの変更でリーダーも行く前から大変だった事と思います。そのお陰で悪天候にもかかわらずコースにも時間にも無理がなく余裕があったので私にとってはあんな風のなかで一晩寝たことも、天気は急変することも経験できよかったです。2日目の濃霧の中でもリーダーや経験豊富な人たちが的確に判断してくれたので不安な思いすることなく下山でき、感謝してます。
(紫)
天気に翻弄され、12名の大所帯で調整は大変でしたが、今回はこの悪天候に無事下山できリーダーの判断は良かったと思います。下山して大量遭難を知り、去年のコースだったことも驚きでした。軽装という事ばかりニュースで流れましたが、装備を持ってない筈がなく、着るタイミングが悪かったのでしょう。稜線に出たらオーバーズボンを履くことすら出来ないことは去年の白馬でみんな体験済みだと思います。アイゼンも朝から付けるという意味も理解できるでしょう。ダンロップが浸水してきた事も、想定内です。テントは必ず水が入るもの、潰れる可能性があるもので、自分の装備は絶対に離さないという意味も理解できたでしょうか?私達二人がダンロップに行ったのは荷物だけ移動になるのは避けたかったからです。本当は一晩浸水してくるテントで格闘する体験も良かったかもしれません。春山は条件が良ければ夏より楽、でも、ここ何年かは悪条件となっています。テントも昔は冬テントを使いました。雨に弱く上からの雨漏りに一晩耐えたこともあり、昔のテントはポールも折れました。今のテントは軽くて強くなっています。完璧はありませんから、いかにその中で工夫して耐えるかも体験ですね。3つテントあれば、逃げ込めばいいのですから。
あと雪庇と亀裂はこの時期にしてはすごかったです。稜線で亀裂にはまり込んだのは危険でした。もう一度登り返したい人もいましたが、その日にみんな下山する体制になってしまいました。下山して天候悪化に驚き、結果良かったと思います。
(しん)
五月のアルプスで天気が荒れた時の状況を経験できた事は貴重です。
白馬の遭難事故は装備は充分ザックに残っていたと言う報道を聞いて非常に残念に思いました。何故使う事が出来なかったのか各自考えて下さい。他人事ではありません。
テントはあの風雨では水浸しになっても普通だと思わなければなりません。今回のようなとき、各自どう対処するかを考えて欲しいです。
靴下や手袋の濡れを防ぐのは難しいので、濡れても冷たくならない毛手を使い、着干しをする。懐や寝袋に入れるとある程度乾きます。
春の腐った雪でアイゼンなしで歩行出来るようになれば、歩くのは上手くなり、アイゼンが必要な時もアイゼンが良く効きます。白岳のあの傾斜の斜面をみんなで並んで降りられる技術を身につければ、もっと楽しい山行になると思います。