27日 8時室堂出発、12時前、剱沢着。山岳警備隊に計画を出し、稜線の状況を聞くが、死亡事故が多発しているので、逆の周り方を勧められる。只、私の足ではどう考えても自信がないので、真砂沢にテントを預かって貰い、仙人池まで上がることにした。真砂沢を13:40分出発するが、二股までの道が暑く、体力を消耗する。仙人新道の延々と続く登りで、よれよれで仙人池に到着する。5時半着。お風呂と親切なみなさんに助けられた。 9時間半行動
28日 北方稜線に向け、陽が当たり始めた八つ峰の仙人池に映る姿を写真に撮り4:45出発する。真砂沢への道の分岐のピークで五竜か、鹿島の稜線より登るご来光を見て池ノ平に下り、小窓雪渓までニッコウキスゲの斜面のトラバースを繰り返し降りて行く。草付きの道、こんなところで不用意に足を置くと転落するなと思いながら降りる。4人パーティが降りてきたが、ザイルで結ばれている。トップを見ると、あの黒部の主のガイド、志水哲也さんだった。志水さん曰く、草付きのトラバースは危ないところだと説明されていた。小窓の雪渓の向かいに滝が見えるがこれが、目印だ。コルまで1時間50分の雪の登りだった。コルの直前、左に良い水場があった。予備の水を補給する。尾根を登り、雪渓をトラバースし、ここからも幾つも踏み跡がある中、一番歩きやすいところを選びながら、最後に捲き気味に左に回り込むと又雪渓にでる。この頃から、ガスに包まれ、視界が悪くなってきた。
今度はアイゼンを付け、長いトラバースをした所で、道が消えていたが、ちょっと下がった所に踏み跡あり、志水パーティに続いて岩稜を登ると北方稜線上に出たようだ。反対側は切れ落ち、ガスで見えないので怖くはないが、深く切れ込んでいる。志水さんとみんなで記念撮影。小窓の王の裏になるのだろう、記憶のあるトラバース気味の岩屑の道を下ると三の窓のコルに降りる。10:00着。三の窓のコルで小休止、雨が降り出した。ここから、池の谷ガリーを登るが、今回一番危ないと思った。先行者の落石が、跳ねる様は怖いものだ。足元が崩れほんとに歩きにくい。杖がわりになってしまったピッケルがなければ歩けない。雨も強くなり、長治郎右俣のコルに11:15到着、その前に剱山荘まで行く志水さんにお礼を言い別れた。 10分ほど降りたら、雪渓が切れ、クレバスとなっている。降りられないかと、覗きに行くとラッキーなことに、2Mくらい下は雪で覆われていた。ザイルを出すほどでもないだろうと降りるが、苦労した。ここから、延々と、雪渓の下りが続くが、熊の岩もガスで見えない。もし左又を下るなら、熊の岩の上から、右又に入るように警備隊から聞いていた。もうすでに二人とも足が痛くて、休憩ばかり、真砂沢にやっとの思いで1時45分到着する。9時間行動
29日 梯子段乗越はまだ、道の整備ができていないし二日目の大雨で、迷うことなく又剱沢に戻ることにした。長治郎雪渓は右俣のコルが見えていたが、亀裂も下からわかった。剱御前目前にして、雨が降り始めた。雷鳥沢に降りたところで、結構な降り、地獄谷の雑踏を抜け、室堂にやっと到着したのが、2時過ぎ・・。7時間半もかかった。3時立山駅、お風呂を出たのが5時過ぎ、頑張ってノンストップで走り大津9時、名神吹田まで3時間ということで、京奈和から、第2阪奈経由で午前0時丁度帰宅する。