8/16 スキー場トップ8:00~正沢川吊り橋8:30~紫流される9:50~細尾沢出合13:00
8/17 細尾沢出合6:30~大滝7:25~8:00高巻終了~雪渓10:10~二俣左10:50~大岩11:15~靴履き替え標高2700mくらい12:10~30~ナナカマド藪こぎトラバース~ガレ場13:10~雨、はい松13:50~14:20縦走路~14:30木曽駒山頂~木曽小屋へ
8/18 木曽小屋6:30~玉の窪山荘6:50~木曽前岳7:10~玉の窪山荘7:20 ~旧7合目氷室8:50~7合目避難小屋9:30~麦草岳駒石10:30~7合目避難小屋11:20~4合目13:20~河原13:40~駐車場14:20
当初上越の米子沢遡行を考えていたが、前尾根をご一緒した杉さんが先月、細尾沢から木曽駒ケ岳に遡行した記録を読み、これは私でも行けるのではと思い計画した。念の為山頂でもう一日小屋泊する計画、あわよくば100高山も少し行けるかと・・。
15日
CLしん、紫、渋滞の中mujinaさんをピックアップして駒ヶ根スキー場跡で仮眠する。閉鎖したスキー場は寂しい。
16日
若い男性4人がテントを張っていた。同じ遡行組みだったが、道を聞かれたので、GPSではスキー場のトップからにだと教えたが、結局その若い男性達はついぞ姿を見ることもなかった。
記録から沢登りの道より、茶臼の登山道を行った方が、きっと吊り橋があるだろうとそちらに歩く。見たこともない吊り橋にわたってみようとしたけれど、恐ろしくてダメ。縦走して来て最後にこれを渡らなければならないなら、怖い事。そしてここから正沢川入渓し、楽しい沢登りの始まりとなるはずだった。
そして、大失敗、渡渉する時、いつも慎重な私だが、油断したのか、あっと思った時はもう足をすくわれ、後ろ向きに流された。3段、3回転、バック転で水没、抵抗するすべもなかったが、幸い3度目に浅瀬で止まった。頭をご~んと一回うち、右肩を強打した。
足は無事、カメラも、GPSも、荷物は無事、ヘルメットは脱げたかと思ったけれど、大丈夫だった。全く歩くには支障なく助かったけれど、もし怪我をして歩けなかったら、どうしただろうかとそればかり考えて歩く羽目になる。正沢川本谷そのものは難しいところはなかった。
細尾沢出合にてテント泊。満天の星だった。標高差500m、5時間。楽しい筈の遡行も軽くしてきたと言っても重い荷に足は上がらず、しんどい。
杉さんに教えてもらったテント場は最高、杉さんの宴のあともあったが、mujinaさんに高山病が出てきて、私の作ったちらし寿司も食べず寝るばかり。6時から5時まで11時間も寝る。
17日
出合から少し歩くと大滝に出るが、左岸のルンゼを巻く。崩壊した沢を横切り少し下って渓に戻る。中流域で雪渓を歩いたというが、今回はうまく割れ、雪渓の壁の中を遡行する。しんの沢シューズかかとがめくれたので補修、私のもやばい。
500mくらい上がったあたりで、水流れが切れ、残り500m、は苦しい詰めだった。2700m付近で大岩があり、沢シューズを履き替え少し歩き易くなる。ここで二回目のトラブル。両手が痺れはじめ、お腹から胸も痙攣し始め、顎から肩、の痺れかたもおかしい。でも頭と足は大丈夫だったので、暫く待って貰う。痺れている間、もし歩けなくなれば、ここならヘリに見つけて貰えるなど、考えてしまった。沢シューズを脱ぎ、ザックをおろし、締め付けていたものがなくなったので、急に血が廻ったのだろうか?横隔膜が痙攣するような気がした。でも治まって助かった。
私達も左に寄りすぎたようで、ナナカマドのブッシュをトラバースするとガレ場となった。これって、きっと正解?ガレ場が出てきてかなりの傾斜で岩場歩きの好きな3人なので何とかなる。山頂らしきシルエットは見えるが、CLの勘が功を奏し、最後ハイ松の急登で縦走路に出て西に5分程歩くと木曽駒山頂だった。頂上直下の1時間は雨になり、ガスの中、雷鳴も聞こえ始めたが遠いので安心だった。
頂上の木曽小屋はとても親切で、雨の中御嶽山にスポットライトがあたる素晴らしい夕日と、虹を見る。
18日
福島Bコースを下山、木曽前岳、麦草岳に寄り道したのが災いして這う這うの体で2時下山する。車に乗ると同時に雷雨となる。槍や、大阪では雷事故があったと聞く。
今回体力の限界を超える山行に、もうこれがアルプス最後の沢かとわが身を戒めることとなった。本来沢1泊で歩けるくらいの体力で臨むのが当たり前だろうが、合宿のみんなの気持ちがわかる、歩いている時は苦痛、終われば満足だろうか?救いは時間的余裕があったこと。毎日雷雨なので2時に登山終了はせめてもの安全策か! ただ、歩けたのはmujinaさんと私の荷物を取ってくれたCLのお蔭だろう。さすがに小屋に着いた時はCLもばてたと言うが。
今回100高山も登れればと思ったけれど、mujinaさんは早く降りた方がいいので、一日早く切り上げ、100高山の麦草岳は又くるというのは大変なので、7合目の小屋から二人で往復する。結局降りた分登り返し、後悔したが、ブルーベリーの群生する道、食べながら往復する。麦草岳から木曽駒の最後の詰めはどこだっただろうかと二人で眺めた。きついなあと改めて思う
そして、最高の出来はGPS、現在地はばっちり、私の流された3回転まで記録されている。最後の詰めはCLの経験に勝るものはないが、どこを歩いたという軌跡が嬉しい。GPSをプレゼントしてくれた友人に感謝!(紫 記)
(しん)
ゴーロで明るい谷だった。大滝だけは登れそうもないが、そのほかは何とかルートを選びながら行けた。2500mくらいで水が切れ、2700mで沢靴を履きかえる。詰めはナナカマドの藪漕ぎをし、ガレ場に出たところでルート的には間違いないと確信するが、急で足元から落石が発生し、歩き辛いが何とかハイ松帯にたどり着く。雷がなり、雨も降りだしたが、大したことはなかった。ハイ松とガレの際を急登し縦走路に出た時はほっとする。2か月ぶりの3000mはやはりきつかった。残り500mの藪漕ぎとガレの急登山はやっとこさ。テント装備でのアルプス方面の沢登はこれで最後になるだろうか!改めてトレーニングの大切さを痛感した。
(mujina)
木曽駒稜線から北側になだれ落ちる急斜面は花崗岩でできている。
谷下流部は巨大な転石がゴロゴロし、無数の小滝が現れるがフリクション、ホールドとも良く登りやすい。
伏流となる上流部は稜線部は灌木、谷部はガレ場となり不安定この上ない。
とりあえず体力勝負の沢である。