山行記録

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2009年11月27日(金)・提出

期間 2009年11月22日(日)~2009年11月22日(日)
目的の山域山名 雪彦山 地蔵岳 東稜壁ルート
登山方法1 日帰り 登山方法2 -------
目的1 個人 目的2 登攀
記録
天候:

(メンバー) kiki フォレスト

(コースタイム)                                                                                11/22
4:30 和歌山発                                      7:30 登山口                                     9:30 地蔵岳 東稜壁ルート 取り付き
10:00 登攀開始
    1,2,4,6 ピッチ kiki リード
    3,5,7   ピッチ フォレスト リード
13:00 地蔵岳頂上(昼食)                               13:30 下山
14:30 登山口 着                                  

 11月22日 kiki・フォレストの2名で雪彦山の地蔵岳へ登攀に行って来ました。
登山口へ着いたのが7:30。駐車場には1台の車もなく静かな道を沢沿いに登り始める。
砂防堰堤を過ぎると、大天井岳、不行岳、地蔵岳の3つの岩峰が迫力の姿を現す。どこをどのように登るのかわからないが、とても登れそうには見えない。

沢沿いの道を登るにつれて傾斜もきつくなってくる。出合からは道無き道を登って行く。岩登りには取り付き点が分かりにくいことが多いらしいが、ここも樹林帯の中へはいると視界がきかずさっぱりわからない。そのうちに岩場に突き当たるだろうとどんどん登って行くが岩場は現れてこない。ちょっとおかしいなと思っていると視界がきく場所から3つの岩峰が見えた。ちょっと右へ来すぎていたようなので出合まで戻って左へ登って行く。

こちらも急傾斜で注意しながら登って行く。やっと岩場へたどり着いた。しかし足下から眺めても岩場の頂上の方まで見えないのでどこの岩場かわからない。取り付き点もわからない。うーん右へ行くか左へ行くかそれが問題だ。とりあえず左へ行ってみる。どんどん行くと岩小屋へ着いたが見覚えのある岩小屋とちょっと様子が違うらしい。なおも進むとこれはちょっと違うなという感じになってきたので方向転換することにする。

右へもどるが、なんかキツネかタヌキににだまされているような。さっき登ってきたあたりまできてさらに右へ行くとすぐに人の話し声が聞こえてきてひょっこり岩場へ出た。ちょうど今やってきたばかりのクライマーが3人。挨拶を交わしさらに右の地蔵岳東稜ルートの取り付き点へ行く。少し登った所の取り付き点にたどり着いてちょっと休憩し登攀の準備をする。
いよいよ登らなければならなくなってしまった。

1ピッチ kiki リード

 取り付き点でセルフビレイの取り方とかを教えてもらい登攀にかかる。私は確保。すっきりした岩場とかすっきりしたスラブとか聞くが。それがほめ言葉のように使っているようであるが、ここはすっきりし過ぎじゃないかと思う。傾斜のきつい滑り台みたいなものである。アマガエルのような吸盤でもないと登れないのではないかと思った。
 つまらんことを考えているうちにビレイ解除の声がかかって、私の番となった。手がかりとなるものは所々にある虫食い状の穴。指が2本ほど入ったりすれば上等な方である。指先が引っかからないような場所では少しでも足が滑ったら持ちこたえられないだろうと思う。片手で持てるような突起でもあればひと安心でぐいっと登れる。アマガエルのようになってやっとのことでkiki氏の所までたどり着く。

 2ピッチ kiki リード

 次も同じく滑り台なのでkiki氏にリードをお願いする。ここの確保する場所が問題であった。足場が外へ傾斜しているのでセルフビレイを信用して体重を外へかけないと安定して立ってられない。2本もセルフビレイを取っているから絶対大丈夫というがこの錆びた細いボルトが抜けたらお終いだなと思うとどうしても思い切り体重を預けられない。その結果へっぴり腰になってしまう。変な体勢で立っているから足もしびれてくるし、ちょっと体重を後ろへかけてみる。大丈夫だ。足のしびれが直ったらまたへっぴり腰になってボルトへ荷重をかけないようにする。そんなことをやっているうちにビレイ解除の声。
 ふーう。やっと登れる。この不安定な場所とおさらばだ。ここも手のひらを吸盤のようにして登って行く。途中で左へ移動しなければならない場所があるがkiki氏なら届いていたのにどうしても左足が届かない。いかんせん長さが違うのだ。うーん、困った。ちょっと下へ降りてルート変更をしたいが、確かkiki氏の確保器は前進のみでバックはないと言ってたな。どうしよう。しょうがない、あと少し右足を左へ寄せて左手を斜め上のあそこへ持っていって右手は目の前にある突起を掴んで思い切って左足をあそこまでとばしてみよう。一か八か。えいやっ と。なんとか届いた。
 その上は上部に亀裂が入ったはがれそうな岩。ここへ全体重をかけなければならない。そろりと体重をかける。大丈夫。ここを越えたらあとは快適にほいほい登れる。ここで余裕の表情で写真を撮ってもらう。2ピッチ終了。

 3ピッチ フォレスト リード

 少し登って様子が分かってきたし傾斜も緩くなってきたのでリードをさせていただく。しかし最初のヌンチャクをかけるまでは緊張した。一つかけると落ち着いて登れるようになった。ここから先は特に問題もなくビレイ点と思われる場所に到着。下からkiki氏のザイルの残りがあと2mとの声。ここでセルフビレイをとって初めてのビレイ解除のコール。気持ちいいー。

 4ピッチ kiki リード

 最初は易しそうな所を越えて左の側壁に入り、ビレイ点からは見えなくなった。様子が分からないが最初はザイルは順調に延びていったが10m程進んだあと止まってしまった。と思ったら今度はザイルがゆるんできた。少し引っ張ってたるみを回収する。今度は少し進んで、またストップ。いったいどのような状況になっているのかさっぱりわからない。

 グレ釣りで沈め探り釣りをしているときはリールの道糸を張り気味に少しずつ延ばして行くが、糸の出て行く早さで潮の流れとか海底の様子を推測してきた。ザイルも同じことかもしれない。出て行く早さで登攀の困難さが推測できる。グレ釣りなら突然ガツンと来たら喜ぶのであるが、クライミングではガツンと来たら困る。ザイルがするする延びているときは順調に登っているのだろうが、流れが遅くなる程注意が必要だろうと思う。ザイルを張り気味にして緊張感を持って備える。
 テンションとの声。やっぱり。だが、あまりショックはないし緊迫感もない。どうしたんだろうか。しばらく動く気配がない。また登るとの声。少しずつザイルが延びて行く。また止まった。しばらくしてビレイ解除のコール。やっと着いたようだ。
あとでkiki氏に聞いたら壁の途中で休憩していたらしい。

 こちらの番になった。最初は易しくどんどん登って行く。側壁へ回り込んでkiki氏が苦戦していた場所がわかった。あとで聞いたら5級程度らしいが、垂直な壁でホールドも細かい。少し登ったがすぐヌンチャクに手を出してしまう。 で、次もヌンチャク。 で、その次はロープを掴んでやっと壁を越えた。私にはまだここは無理。

 5ピッチ フォレスト リード

 見るからに易しそうな感じ。フリーで行けそうな所だったが所々ヌンチャクをかけながら進む。すぐにビレイ点に到着。

 6ピッチ kiki リード

 取り付き点に新しい花の手向けられた遭難碑があり手を合わせたあと登攀にかかる。リードを勧められたがちょっとためらったあとkiki氏にリードをお願いする。左右が切れ落ちたリッジと言うんだろうか。登りやすそうではあるが高度感はあるし、上部の方の様子が分からないのでやめておいた。
 登り始めてみると、案外快適だった。掴まるところがあれば高度感はあってもいけるなと思った。右側の方は岩がもろそうな所があったのでさわらないように注意した。

 7ピッチ フォレスト リード

 最終ピッチで頂上が見えている。どこを登るか迷ったが溝状になったところを登ることにする。ボルトは壁の中央の方にあったが自信がないので左よりの易しそうな溝状を選択した。ここも易しくすぐに頂上に着く。頂上の松の木にセルフビレイをとってビレイ解除のコール。
続いてkiki氏も登ってきてがっちりと握手。

 初めてのアルパインクライミング。まさかこのような世界へ足を踏み出すとは1年前には考えられなかった。かがりびへ入会させていただいてこのようなところへ連れてきてもらった。
今、写真を眺めながらよく登れたなと思う。
頂上へたどり着いたとき今までの山登りとは達成感が違うと感じた。

最近 新田次郎は卒業して、ボナッテイとかボニントンのような登山家の書いた本を読んでいる。
レベルは違うがこれからは登攀の様子が具体的にイメージできそうな気がする。

私の場合、山へ向かう動機の中で一番の契機となっているのが好奇心と達成感であるような気がする。
初めての場所、しかもちょっと困難な場所、そういう所へ行きたいのである。

山の世界へ遅れてやってきたので、限られた時間の中で効率よくレベルアップを図りたいと思う。

毎度のことですが、主観的な山行記録で申し訳ありません。

                                 ( フォレスト 記 )

kiki氏の記録

後でインターネット検索でわかりましたが、4ピッチ目は、右側のチムニーがノーマルルートらしいです。
私がルートを間違えて、A0で強引に登ってしまいました。すみません、お疲れ様でした。
それにしても、アプローチで迷った時、フォレストさんのスパイク付地下足袋の威力は素晴らしいです。
バイルがいるような急な斜面で手を差し伸べて頂き、たいへん助かりました。
おかげさまで、三峰岳の取付き、不行岳の取付き、地蔵岳正面壁の偵察と、収穫は多かったです。
心強く、センスのあるフォレストさん、次回の登攀が楽しみです。

                                 ( Kiki 記 )  

概念図
交通費、食糧、その他費用など
交通費 5,000 雪彦温泉 700

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